
戦略
人材育成方針
当社グループは、かねてより『人を中心とした事業構築を図りケーズデンキグループに関わる人の幸福を図る。事業を通じて人の「わ」(和、輪)を広げ、大きな社会貢献につなげる。』を企業理念及びパーパスとして掲げ取り組んでいることからも自明の通り、創業当時からまず何よりも従業員を大切にしてまいりました。
当社グループでは、お客様を大切にするためには、まず従業員を大切にしなければ「本当の親切」は実現しないと考え、1.従業員 2.お取引先 3.お客様 4.株主の順で大切にしようと考えております。これは決してお客様を軽んじているわけではありません。お客様を大切にするにはまず会社が従業員を大切にしなければそのことは実現しません。従業員が笑顔で楽しく活き活きと働ける環境を作ることでお客様に伝わる本当の親切を提供することができるのです。
当社グループは、以下の通り『ケーズホールディングスの人材育成方針』を掲げ、人的資本経営に取り組んでいくことで『中期経営計画 2027』の重点施策の一つである労働生産性の向上に繋げてまいります。
ケーズホールディングスの人材育成方針
- ①当社グループでは、多様な従業員が笑顔で楽しく働ける職場環境作りを目指しています。
当社グループでは、人の和を大切にし、感謝の気持ちを以って働くことができる従業員を育成します。 - ②当社グループでは、従業員を一番に大切にしており、従業員が心身共に健やかであり、仕事にやりがいを感じ、熱心に取り組み、仕事から活力を得ることができるようワークエンゲージメントの向上に取り組んでいます。
当社グループでは、自らが健康に留意し、楽しく働くことができる従業員を育成します。 - ③お客様に対する親切とは画一的なものではありません。その時々、一人一人、時と場合に応じて異なるもので、マニュアル化できるものではありません。
当社グループでは、お客様に伝わる本当の親切を実行するためには何をすべきかを自らが判断し、
率先して動くことができるような、親切と愛情を以って働くことができる従業員を育成します。 - ④当社グループが取り扱う家電製品は、人々が安定した生活を送るにあたって欠くことができない生活必需品です。
安定的に店舗を運営し、安心・安全・省エネ性能の高い商品をご提供することは我々の使命であると考えています。
当社グループでは、電気専門店の誇りを以って働くことができる従業員を育成します。 - ⑤当社グループは、店舗を中心とした家電専門店であり、接客によってお客様に価値を提供しています。
具体的には、お客様のお話をよく聞いて、会社が儲かる商品を無理に売りつけるのではなく、お客様のニーズに合った、より便利で良い機能がついている商品(高付加価値商品)をお勧めします。
当社グループでは、高付加価値商品をお勧めすることができる高い専門性を持ち、
生産性の向上に努力することができる従業員を育成します。
リスク・機会
当社グループは、人的資本に関連するリスク・機会を以下のように認識しております。
リスク |
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機会 |
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4つの人材戦略
当社グループは、認識したリスクに対応し機会を獲得するため、人材育成方針に基づき
①人材の確保 ②多様な人材の登用 ③スキルアップ ④ワークエンゲージメント向上
の4つを人材戦略として取り組んでおります。
① 人材の確保
当社グループは、離職率が2.1%と低い水準にあり、採用後は定着率が高いことから、人材確保に当たっては採用が重要かつ課題であると考えております。当社グループは「中期経営計画2027」の3年間において30店舗の出店を予定しており、この期間における円滑な店舗運営や将来の要員確保のため、中期経営計画期間中に新卒・中途を合わせて550名の正規社員採用を行うことを目標としております。また、女性管理職の割合を30%とすることを視野において、女性正規社員の採用比率を30%以上とすることも目標としております。(2024.4 時点の正規社員における女性従業員比率:約15%)
- 正規:非正規比率は…
- 正規社員 : 非正規社員45:55
- 従業員数は…
- 16,099名※正規社員数+年間平均非正規社員数
- 平均年齢は…
- 41歳※正規社員
- 女性従業員比率は…
- 43.3%※役員・派遣社員・短期アルバイト除く
全従業員
- 離職率は…
- 2.1%※正規社員
- 平均勤続年数は…
- 15.4年※正規社員
- 正規社員
採用者数は… - 279名
- 正規社員採用
女性比率は… - 33.7%
② 多様な人材の登用
当社グループは、年齢、性別、人種、宗教、趣味嗜好などにとらわれず多様な人々が楽しく働き活躍できるよう努めています。
特に重点的に女性活躍の推進に取り組んでおり、現在の目標として、女性管理職の比率を「中期経営計画2027」の期間中に5%以上とすることに取り組んでいます。この目標は現在、管理職に次ぐ役職にある女性正規社員のうち、30%が昇格することにより達成されるものであり、重点的に当該社員へのスキルアップ・キャリアアップ支援を行ってまいります。
女性活躍推進に関する取り組み
ポジティブアクション研修
当社は、将来の管理職を目指す女性を対象に、研修を行っています。自分が働く上で苦労したこと、悩んだことなどを忌憚なく話し合い、ライフステージが進むと共にどう働くかを考え、将来への不安を払拭し目標に向かって前進してもらえるよう取り組んでいます。
受講者の感想
- 同じ立場の方の存在が励みになり、今後も自信をもって業務に励もうという意識が高まった
- 男性スタッフ向けに(女性の体の変化などについて)専門家からお話があれば、より理解を深めていけるのではないか

子育てサポート
当社は、子育てサポートに積極的に取り組んでいる企業として2017年に「プラチナくるみん」の認定を受けました。さらに2025年には、不妊治療と仕事の両立に取り組む企業であるとして、『プラチナくるみんプラス』の認定を受けています。また、家電量販店としては初めてとなる「えるぼし(最高ランク)」の認定も受けています。2018年には、企業内保育所「ケーズ&リリーナーサリー」を開設しました。

えるぼしマーク

「ケーズ&リリーナーサリー」
- 女性管理職比率は…
- (課長代理及び副店長職以上)4.0%
- 女性育休
取得率は… - 100%
- 女性育休
取得者数は… - 45名
- 男性育休
取得率は… - 64.6%
- 男性育休
取得者数は… - 113名
ダイバーシティ(多様化)に関する取り組み
65歳までの定年延長制度を導入
当社は、65歳までの定年延長制度を導入しています。これまで積み上げてきた豊富な知識と経験を自らが活かすと同時に、他の若手従業員へもノウハウを伝達・継承することができる、懸け橋となるような存在になっていただくことを期待しています。
70歳までの再雇用制度を導入
65歳以降も勤務を希望する方に対しては、最大70歳まで勤務できる再雇用制度も導入しています。
障がい者雇用促進への取り組み
当社は障がい者の採用並びに継続雇用に積極的に取り組んでおり、障がい者一人一人の適性を考慮した職場への配置・仕事内容などの配慮を行い、業務とのマッチングを大切にしています。また、支援機関と連携・相談できる体制を整えたり、本社から、所属長へ現在の就業状況を定期的に確認し、相談を受けたり、アドバイスを行うなどのサポートを実施しています。
- 障がい者雇用率は…
- 3.2%※2024年6月1日時点
ケーズキャリアスタッフでの取り組み
当社の子会社であるケーズキャリアスタッフは、人材派遣業を営んでいます。ケーズキャリアスタッフでは一般の派遣社員の募集と共に、65歳以上の当社従業員が再び活躍できる場を積極的に提供しています。
LGBTQに関する取り組み
- 人事担当者がLGBT検定上級(日本セクシャルマイノリティ協会)を受講・修了し、社内での啓蒙活動に役立てている
- 2018年3月期より、マネジメント研修(階層別研修)にLGBT研修を追加
- 店長会議での啓蒙
- 社内書類の性別欄の取り扱いについての見直し
- 心とからだの健康問題相談窓口の設置
- 多目的トイレや個室更衣室などの設置
- ポスター掲示での啓蒙
③ スキルアップ
当社グループは、店頭での接客を最も重視しており、お客様に「本当の親切」を提供するため、商品知識の習得やお客様の要望をよく聞き、それに合ったより良い商品を提案できる能力を身に着けることが必要と考えております。そのため、現場における育成(OJT)をベースとして、eラーニングによる販売スキル向上や“家電製品アドバイザー資格”等の販売に活用できる資格取得を支援する取り組みを行っております。特に“家電製品アドバイザー資格”の取得は重視しており、全従業員の3名に1名は取得すること(取得率33%)を目標に取り組んでおります。(2023年度実績:4,950名 取得率30.7%)また入社から管理職までキャリアアップのタイミングで階層別研修を実施しており、キャリアアップに伴う動機付けを行うとともに必要な知識・スキルを習得できるようにしております。
人材の育成に関する取り組み
資格取得支援制度
当社には、“家電製品アドバイザー資格”を取得するための支援制度があります。教材費の一部補助や、取得後の特別手当の支給などにより積極的にバックアップしています。IT人材向けの資格取得を支援する制度も導入しています。
- 家電製品アドバイザー資格
保有者は… - 4,950人
- 30.7%
eラーニングの実施
当社では、社内イントラネットを使用したeラーニングシステムを活用し、販売のスキル向上や、会社の制度説明などを行っています。
サービス維持、向上のための配送工事研修センター
お客様宅を想定したキッチンや階段などがある配送工事研修センター(全国4ヶ所)を設置し、模擬体験によってサービスの品質の維持・向上を図っています。

階層別研修の実施 主な定例研修の例(ケーズホールディングス単体)
以下の表は横にスクロールできます
対象者 | 研修名 | 概要・目的 |
---|---|---|
新入社員 | 新入社員導入研修 | 社会人の心構え・接客基礎・商品勉強等 |
入社初年度 | フォロー研修 | 入社6ヶ月後の振り返り |
新入社員のコーチャー | コーチャー研修 | 人材育成・コーチング等 |
副主任 | 販売力強化研修 | 販売力アップ(購買心理) |
新任部門長 | マネジメント基礎研修 | 初級管理職の役割・コーチング等 |
管理職 | 営業マネジメント基本研修 | 店舗管理職の心構え・労働法の知識等 |
評価者研修 | 評価制度の理解(評価・昇給・昇格・面談等) | |
女性社員 | ポジティブアクション研修 | 女性管理職候補への研修 |
- 研修受講者数は…
- 5,383人
- 研修回数は…
- 年回延べ回数534回
④ ワークエンゲージメントの向上
ワークエンゲージメントの向上は、「従業員を一番に大切にする」ことを創業以来の方針とする当社グループにとっては、自然に行われていた取り組みです。ワークエンゲージメントは労働生産性と相関関係にあるとされており、それを更に向上させることにより、「中期経営計画2027」の重点施策である労働生産性の向上につながるものと考えております。課題は、ワークエンゲージメントの「活力」のリカバリー(回復)に関連する指標である有給休暇取得率であり、当面の目標を60%とする協定を労働組合と結び、労使協力して取り組んでおります。(2023年度実績は60.7%と目標を超えておりますが、引き続き維持向上に取り組みます。)なお、離職率等、関連するとされている指標から、当社グループのワークエンゲージメントは比較的高い水準にあるものと考えておりますが、今後は定量的に分析することも行ってまいります。
ワークエンゲージメントに関する取り組み
当社グループは、従業員をまず一番に大切にし、従業員が活き活きと楽しく働けるような職場環境を作る為に、様々な取り組みを行っています。それらの取り組みが評価され、2013年3月22日「日本でいちばん大切にしたい会社」大賞 実行委員長賞を受賞しています。

ノルマ・残業のない環境づくり
従業員自身が楽しく活き活きと働くことができなければ、お客様に対しての本当の親切は実行できません。そのため当社にはノルマがありません。もしノルマがあったらお客様が必要としていない商品を売ろうとしてしまうかもしれません。それはお客様のためにならないばかりか、引き続き当社をご利用いただくことにつながりません。従業員が笑顔で楽しく働くことが、まず一番大切なのです。
残業のない環境づくりもその一環です。その考え方の根本は「がんばらない経営」です。明日できることは今日やらない。今だけ残業して良い成績を残したとしても、終わりのない経営には意味の無いことであると考えています。
有給・連続休暇取得促進
当社は、有給休暇や連続休暇の取得促進に取り組み、連続5日間の休日の取得の呼びかけも積極的に行っています。
勤務間インターバル制度導入
当社は、従業員の健康を守るために、仕事と次の仕事の間は11時間のインターバルを設けるという勤務間インターバル制度を導入しています。
介護サポート
当社には、働きながらもしくは会社に在籍しながら大切な方の介護ができるよう、最大で365日間の休暇を取得できる介護休暇制度があります。

健康管理とメンタルヘルス
当社では、年に1回の健康診断もしくは人間ドックの受診を積極的に促し、有所見者に対し特定保健指導・保健指導を実施しています。また当社の50人以上の事業所の所属長は衛生管理者資格を取得し、全従業員に対しストレスチェックも行っています。
健康経営宣言
当社グループでは、従業員の健康を守ることが大切であると考え、経済産業省が推進する健康経営に賛同し、健康経営優良法人2025(大規模法人部門)に認定されています。

従業員持株会
当社は、従業員の資産形成の一助として、拠出金額に奨励金を付与しています。(投資勧誘を目的としたものではございません)
- 1ヶ月当たり平均残業時間は…
- 4.6時間※正規社員
- 重大な労災発生件数は…
- 0件
- 有給取得率は…
- 60.7%※正規社員
- ストレスチェック
受検率は… - 92.3%
- 健康診断受診率は…
- 97.3%