
『中期経営計画2027』の
更新について聞く
- Q. 2024年5月9日に公表した『中期経営計画2027』の一部を2025年5月8日に更新されましたが、その経緯について伺います。まずは、中期経営計画期間中(2025年3月期~2027年3月期までの3か年計画)で累計30店舗の出店をするという目標を、累計20店舗に更新した経緯を教えてください。
- 平本:現在、足元の出店コストは上がっており、この先も下がることは考えにくい状況です。そのような状況に鑑み、当社は、社内の出店基準をこれまで以上に厳格化して精査することにし、無理のない範囲の出店ペースにしていきます。その結果、3年間で30店舗の出店を計画しておりましたが、3年間で20店舗の計画に改めました。これも『がんばらない経営』の一環です。しかし消極的な姿勢になったわけではありません。高止まりしている出店コストに見合うフォーマットを再構築して、地域に合った店舗形態を常に模索していきます。また、コロナ禍にできなかった店舗の改装は積極的に行っていきます。売上を上げるための改装であることは言うまでもありませんが、きれいな店舗で働くことができるという従業員のモチベーションを保つためにも必要なのです。
「中期経営計画2027」(2024年5月9日公表、2025年5月8日一部更新)より抜粋
- Q. 出店数の計画変更に伴い、キャッシュアロケーションも更新されましたが、その考え方について教えてください。
- 平本:キャッシュアウトの部について、店舗の出店ペースが緩やかになったことで店舗設備投資を500億円から400億円に更新いたしました。
一方で、成長投資として200億円を割り当てました。これまでは、DX投資として100億円を計画しておりましたが、出店減少分を補完するため、オンラインショップ売上拡大を以前よりもスピード感をもって推し進めるべく、DX投資を強化してまいります。そして、敢えて“成長投資” という表現を使った意図は、人的資本への投資やそれ以外の選択肢も含め、当社にとって最適な成長戦略を検討してまいりたいという思いからです。特に人的資本については接客のスキルアップにつながる教育への投資、DXに携わる人員の採用や教育への投資をしてまいります。
「中期経営計画2027」(2024年5月9日公表、2025年5月8日一部更新)より抜粋
- Q. 最後に、株主還元の考え方について教えてください。
- 平本:当社では、従業員の資産形成にも取り組んでおり、従業員持株会は当社の大株主順位第2位に位置しています。実は従業員が当社株を持つということは、当社が大きく成長することができたルーツでもあります。創業者である加藤馨は、創業後間もなく技術を身につけた従業員が次々と会社を辞めて独立していく姿を見て、何とか長く当社に定着してもらいたい、そしてこの会社に勤めることでひと財産築けるようになってもらいたいと願いました。そして従業員と共に出資して株式会社を設立することを思いつきましたが、従業員にはまとまった手元資金がありません。そこで馨は一度全従業員に退職してもらって退職金を払い、それを元手に自社の株を購入してもらって、従業員5割、創業者の加藤馨5割で株を拠出し合い、株式会社を設立したということから始まります。そのようなことがあって、従業員持株会には手厚い補助金を付与しています。従業員が株を持てば、自分の会社の株価や損益状況も気にしながら働くようになりますし、良い制度であると思っています。
- このような経緯もあって、当社は株主還元を経営の重要政策の一つととらえており、重視しております。
- 具体的には、2025年3月期には200億円のバイバックを実施しています。そして2025年5月からは、100億円のバイバックを実施いたしました。これら自己株取得と3年間の配当額240億円程度を合算すると540億円となりますが、株主還元の表現としては400億円以上と幅を持たせて表記しておりますので、ROE8%という目標達成に向けて自己資本も見ながら機動的に振り当てていきます。
- 2025年3月期は、減損損失の計上額が大きくなり、2026年3月期の計画にも減損損失の計上を織り込んでおりますが、当社の基礎収益力の動向と財務状況を踏まえますと、今後も営業利益はしっかりと創出できる見込みですので、株主還元方針はこれまでと変わることはありません。
- 当社はこれまでと変わらず、総還元性向80%、配当性向40%を目標として取り組んでまいります。
「中期経営計画2027」(2024年5月9日公表、2025年5月8日、11月6日一部更新)より抜粋